2019年06月16日
■創作劇『こころつないで』を、ふか~く楽しむために
■創作劇『こころつないで』を、ふか~く楽しむために(その2)
国家機構をつくり上げ、大陸諸国と肩をならべる「大国」になるために、大王家の二人の兄弟が動きます。二人の兄弟、そう乙巳の変(教科書的には「大化の改新」)で蘇我本宗家を討伐し、大王家の手に政治の主導権を取り戻した事件を成功させた中大兄皇子とその弟である大海人皇子です。国家機構をつくりさらに定着させるためには、日本初となる大乱・壬申の乱を経る必要がありますが、創作劇中では登場しないものの忘れてはならない人が、大海人皇子の妻であり、後の天皇となった持統天皇も忘れることはできません。兄の志を弟が引き継ぎ、そして夫の志を引き継ぎ、古代国家機構を「安定」に導いた妻・持統天皇の3人の力と知恵、そしてカリスマ性が成し得たことだったのです。

●中大兄皇子の決意!【第4回公演】
もう一人、「基肄城に秘められたおもい」を聴衆に伝える重要な役割を務める人物が、人夫④です。といっても歴史上の人物ではないのですが、白村江の大敗を大義とし、国家存亡の危機を「外装」しつつ防衛施設としての基肄城、大野城、水城を造っていた、その頃、唐、新羅は和親を結ぶべく倭国へ来、その意志を知っていた大王家は、何故、防衛施設を造らせ続けたのか。この疑問を解く鍵を、8年前に『こころつないで』を初演した時から、人夫⑤の「まてよ、こりゃ、なにか裏があるな~」に続いて、人夫④が、「この城を造って、この辺りの豪族たちをだまらせようって魂胆だ!」と言ってくれているのです。

●「なにか裏があるな~っ」【第4回公演】
創作劇『こころつないで』は、基肄城が、白村江の大敗をきっかけとして国土防衛拠点として築かれていったという表面的な物語ではなく、その背後には、東アジア情勢や倭国(大和王権)から日本(大和政権)へと国家形成への道を進む過程を物語る激動の歴史を描いています。だからこそ、その証の一つとして、基肄城跡跡は、国の宝としての特別史跡に指定されているのです。
創作劇『こころつないで』を描く上でのキーパーソンは4人。劇中ではセリフ中にしか登場しない新羅の策士・金春秋、後の太宗武烈王、そしてキャストとして登場する国家機構を築き上げた中大兄皇子、大海人皇子の二人の兄弟、基肄城築城の歴史的背景をさりげなく語る人夫④なのです。・・・・・・【つづく】
国家機構をつくり上げ、大陸諸国と肩をならべる「大国」になるために、大王家の二人の兄弟が動きます。二人の兄弟、そう乙巳の変(教科書的には「大化の改新」)で蘇我本宗家を討伐し、大王家の手に政治の主導権を取り戻した事件を成功させた中大兄皇子とその弟である大海人皇子です。国家機構をつくりさらに定着させるためには、日本初となる大乱・壬申の乱を経る必要がありますが、創作劇中では登場しないものの忘れてはならない人が、大海人皇子の妻であり、後の天皇となった持統天皇も忘れることはできません。兄の志を弟が引き継ぎ、そして夫の志を引き継ぎ、古代国家機構を「安定」に導いた妻・持統天皇の3人の力と知恵、そしてカリスマ性が成し得たことだったのです。

●中大兄皇子の決意!【第4回公演】
もう一人、「基肄城に秘められたおもい」を聴衆に伝える重要な役割を務める人物が、人夫④です。といっても歴史上の人物ではないのですが、白村江の大敗を大義とし、国家存亡の危機を「外装」しつつ防衛施設としての基肄城、大野城、水城を造っていた、その頃、唐、新羅は和親を結ぶべく倭国へ来、その意志を知っていた大王家は、何故、防衛施設を造らせ続けたのか。この疑問を解く鍵を、8年前に『こころつないで』を初演した時から、人夫⑤の「まてよ、こりゃ、なにか裏があるな~」に続いて、人夫④が、「この城を造って、この辺りの豪族たちをだまらせようって魂胆だ!」と言ってくれているのです。

●「なにか裏があるな~っ」【第4回公演】
創作劇『こころつないで』は、基肄城が、白村江の大敗をきっかけとして国土防衛拠点として築かれていったという表面的な物語ではなく、その背後には、東アジア情勢や倭国(大和王権)から日本(大和政権)へと国家形成への道を進む過程を物語る激動の歴史を描いています。だからこそ、その証の一つとして、基肄城跡跡は、国の宝としての特別史跡に指定されているのです。
創作劇『こころつないで』を描く上でのキーパーソンは4人。劇中ではセリフ中にしか登場しない新羅の策士・金春秋、後の太宗武烈王、そしてキャストとして登場する国家機構を築き上げた中大兄皇子、大海人皇子の二人の兄弟、基肄城築城の歴史的背景をさりげなく語る人夫④なのです。・・・・・・【つづく】