2021年07月24日

■若宮八幡神社(その4)

●関屋土塁の上に鎮座する若宮八幡神社(その2)

 関屋土塁の形状は、大宰府研究で著名な九州大学第一代考古学教室の主任教授であった鏡山猛先生の地形測量図から、土塁より南側にテラス状の張り出しがあるように描かれています。鏡山先生ご自身は、このテラスには言及されず単に残存地形の実測図を掲載されているのですが、その図が独り歩きし、いつしか関屋土塁の南側、有明海側にテラスが形づくられ、関屋土塁の南側を守るための施設という解釈が生まれてしまいました。このテラスは、鏡山先生のご著書「大宰府都城の研究」に当時の写真とともに掲載されており、この写真を見る限り、関屋土塁の南側を削平し家屋が建てられていることが見てとれます。述べるまでもなく、単に宅地造成によって形成されたテラスであったと考えられます。

 また、千塔山丘陵と基肄城までをつなぐ土塁として想定されている「とうれぎ土塁」も、同じ旧地形図の復元と発掘調査所見から千塔山丘陵と現在の役場がのる玉虫丘陵の間に想定でき、その規模は基底幅50m、高低差10.2m、全長150mの規模であったと推定できます。


  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 09:08Comments(0)基山の文化遺産

2021年07月23日

■若宮八幡神社(その3)

●関屋土塁の上に鎮座する若宮八幡神社(その1)

 江戸時代に長崎街道の間宿として開かれた木山口町の北の玄関口に鎮座するのが若宮八幡神社(以下「若宮さん」)です。この若宮さんが鎮座する場所の東側には、古代大宰府の南の守りである土塁がありました。現在は、JR九州鹿児島線や国道3号、さらには民家建設によって削平され、上町交差点の西側にわずかな起伏として感じられるだけになっています。
 この土塁こそ、「関屋土塁」として呼称され、若宮さんが鎮座する千塔山丘陵と東側にある城ノ上丘陵を結ぶ、約275mに築かれていたと考えられます。

 昭和23年、24年にアメリカ軍によって撮影された航空写真をもとに、現代の航空写真測量技術を駆使し、旧地形図を復元したものが以下の地図です(基山町史から抜粋)。



 この地図の中央やや下に千塔山丘陵が、その千塔山丘陵の東の端に若宮八幡神社があります。この若宮八幡神社が鎮座する箇所は、その地形から自然に形づくられたとは考え難い形をしており、まさに関屋土塁の西の基部であることが読み取れます。また、相対する東側にも城ノ上丘陵の南端に土塁基部とおぼしき張り出しが観察できます。このことから、関屋土塁の規模は、基底幅82.5m~52m、高低差10.3m、全長275mを測り、若宮八幡神社は、この関屋土塁の西の基部の上に建っていることが分かります。

 大宰府の北の守りである水城跡が、基底幅80m、高低差9m、全長1.2kmという規模であることを考えると、関屋土塁も長さこそ自然地形を利用していることから短いものの、基底幅や高低差はほぼ同規模であったことが推測できます。
  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 20:59Comments(0)基山の文化遺産

2021年07月18日

■住吉さん再建始まる

 特別史跡基肄城跡南水門(以下「南水門」)に鎮座されていた住吉神社(通称:住吉さん)が、平成30年7月6日~7日の豪雨によって損壊して3年を迎える令和3年7月18日の今日、再建の事始めである地鎮祭が執り行われました。


●地鎮祭の様子

 豪雨災害の際には、基山(きざん)からの土砂・流木を住吉さんが身を挺して堰き止められたかのようにここに堆積し、氏子である丸林集落の人びとを助けられたように思えるほどでした。


●被災時とかつての住吉神社

 被災すると再建にたどり着くまで、関係者の皆さまにとって、なみなみならぬ御苦労があったと思います。丸林集落の皆さまの住吉さんを思うお気持ちが、今日という日を迎えることができたと思います。心より深く感謝申し上げます。

 竣工まであと少しです。皆でできることを持ち寄り、竣工のその日に、住吉さんを御神殿にお迎えしましょう。(今日は、住吉さんが仮のご祭殿に久しぶりに御出でになられたかのように昨日とは異なり空は晴れ渡り、お神酒には喜びの泡が立っていました。)


「盃右上に泡が立っていました。」

 ここは、町内のお潮井採りの場でもあり、特別史跡基肄城跡の登山道入り口でもあります。
 丸林集落の皆さまは再建費用捻出にご苦労されています。基山(きやま)の歴史的風致を復活し維持するためにも、もしよろしければご浄財を住吉神社再建のために御寄せいただければ幸いです。


●氏子の皆さまが暮らす丸林集落(撮影:令和3年7月18日)

 かつてあった石製御神殿の壁面には、「奉再建一宇」と記され、建立年「天明4年(1784)3月」が刻まれていました。

●建立年や関係された宮司様たちのお名前が線刻されています。
  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 13:58Comments(0)基山の文化遺産

2021年07月11日

■若宮八幡神社(その2)

 ご無沙汰しておりました。
 昨年の10月から中断していた「若宮八幡神社」について続きを記していきましょう。

 前振りとして記していた二件について。
まず、一点目。我が町「基山」の表記について、行政的には明治時代に取り決められたことは間違いではなさそうですが、住民の中には早くから「きやま」を「基山」として認識し標記していたことが分かる資料が、この若宮八幡神社拝殿にあります。
 詳細は、本ブログでも取り上げておりますので、そちらをご覧ください。

 二点目、基山を観光地として広く情報発信し、博多から多くの人びとを呼び込むために尽力された人、松隈来造先生の碑も境内の南西隅に建っています。その偉業については、碑の台座に記されています。これについても、本ブログに掲載していますので、そちらをご覧ください。

 ①きやま「城山・木山・基山」 2012年4月30日
 ②秋光川源氏螢を観光資源として 2016年7月30日

 では次回、この若宮八幡神社が立地しているこの場所について記していきます(つづく)
  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 11:10Comments(0)基山の文化遺産

2021年07月09日

■令和3年度きやま創作劇のゆくヘ・・・

 本日、午後2時から基山町役場にて、令和3年度第1回きやま創作劇実行委員会が開催されました。



 昨年度は、世界を席捲している新型コロナ感染症の拡大を防止するため、日々、実行委員会メンバーで議論を幾度も重ね、最終的には苦渋の決断として「中止」判断をいたしました。期待し待ち望んでいた皆さんに、心より深くお詫びいたします。

 さあ、今年はどうなるのか、状況は昨年の今ごろとあまり変化なく、集まったメンバー皆、「晴れやかに議論」というわけにはいきません。しかし、この1年間、メンバー個々がそれぞれの立場で、コロナ感染症対策を講じた各種取組での「経験値」を積み重ね、昨年の今ごろとは異なる状況も生まれてきています。



■令和3年度 きやま創作劇公演へむけて始動!
 当会のモットーである「できることを」「できる範囲」で持ち寄って創ることの実践として、令和3年度のきやま創作劇は、開催する方向で調整を行いました。

 当然のことながら、ワクチン接種が進んでいるとはいえ、特効薬なきコロナ禍であることに変わりはありません。様々な制限、公演までの新型コロナ感染症対策、公演規模など多様な条件を議論し指し示しつつ進めていきます。一人の感染が、公演中止のみならず社会問題化するのが新型コロナ感染症の恐ろしさです。そういった観点から、家庭での取組も含め自己管理ができることが最低条件であるといえます。
 通常のきやま創作劇とは異なるものであることは、あらかじめご了承ください。

■申込案内ほか、詳細については基山町広報や「きやまWEBの駅」を通じてお知らせいたします。それまで、いましばらくお待ちください。
  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 18:48Comments(0)参画事業

2021年07月07日

■今日は七夕、出会いの日 ~文化財担当職員募集~

新たな出会いで、我が町基山の文化遺産を未来へつなぐことを手伝ってください

現在、基山町では文化財保護主事の新規採用職員を募集しています。

我が町基山は、『いなか佐賀県』にあって、実は福岡都市圏に入っており、九州各地へ行くのもとっても便利なところです。
文化財的にも、佐賀県初の特別史跡に指定された基肄城跡にはじまり、国道3号の前身ともいえる長崎街道、国道4号や間宿の木山口町、江戸時代に描かれた絵図に残る道々、観音様になったお姫様などのむかし話、九州鉄道時代の赤煉瓦アーチ橋などの歴史的建造物など様々な文化遺産もあり、それらを継承する当会や「きやま創作劇」など多様な歴史系民間団体も育っています。


■特別史跡 基肄城跡


■枯れ松三国境の物語が残る三国境石標


■集落の災い除け・疫神


■きやま創作劇

オール基山で、我が町基山の文化財・文化遺産を未来へつなぐために、みんなでできることを持ち寄る一つの役割として行政職員に居ていただかなければなりません。

未来の町民へ、県民へ、そして世界の人びとへ、我が町基山の文化遺産をつないでいくために、私たち町民を助けてください。

何卒、よろしくお願いします。

※詳細の情報は、基山町役場HPを御覧ください。  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 20:04Comments(0)お知らせ