2017年09月17日

『八ツ並の姫』が語る時代 (その8-2)

 間が空きすぎました。お許しください。

 インド西部にあるオウランガバード石窟でお会いした観世音菩薩様のレリーフが、威神力を表現しているところまでお話しいたしました。
 それが、下に示す8つのお姿です。
『八ツ並の姫』が語る時代 (その8-2)
①大火の難
『八ツ並の姫』が語る時代 (その8-2)
②大海の難(大海で大風に出会った時の難)
『八ツ並の姫』が語る時代 (その8-2)
③処刑の難(罪もなく処刑される時の難)
『八ツ並の姫』が語る時代 (その8-2)
④盗賊の難
『八ツ並の姫』が語る時代 (その8-2)
⑤邪鬼の難
『八ツ並の姫』が語る時代 (その8-2)
⑥悪獣の難
『八ツ並の姫』が語る時代 (その8-2)
⑦毒蛇の難
『八ツ並の姫』が語る時代 (その8-2)
⑧子宝の難

 8つのお姿とは、①大火、②大海、③処刑、④盗賊、⑤邪鬼、⑥悪獣、⑦毒蛇、⑧子宝で、この8つの難に接した時、『観世音菩薩普門品 第25』には、「観世音菩薩の名を称せば」お救いくださると記されています。各レリーフの①~④は、右側に、⑤~⑧は左側に観世音菩薩様がお救いくださるお姿として表現されています。
 8つの難の内、⑥と⑦はインドならではの難かもしれません。⑧の子宝は、「男の子を求める時、観世音菩薩の名を称せば、「福徳・知恵の男」を生まん。女の子を求めんと欲せば、衆人に愛敬せらるるを生まん。」とされ、単に子宝を授かることのみならず、人びとを大切にし、大切にする子どもを授かることを説いています。

 人生を生きていく上で、様々な苦難に出会います。
 お釈迦様は説きます、己の欲が苦難を創り出すと。「こうあるべき、こうなければならない。」と考え、思い通りならないことから「苦難」が己の中に生まれてくる。時の流れに、ときには身をまかせ考え進むことで、「苦難」が人生の糧に変わっていく。でも、どうしてもやり過ごせない時は、観世音菩薩の名を称し、お救いを求めることができると。

 観音さまになられたお姫様は、父たちの仲違いから引き起こされる多くの苦難(互いを殺し合う戦、そこから生まれる家族たちの悲しみや不幸)から人々を救いたい、残された自らの子どもや夫、そして父たちの配下の人びとの家族全てを見守るというお気持ちから、観音さま(観世音菩薩様)になられたのです。

 台風18号が、今まさに九州を襲おうとしています。 「大海で大風に出会った時、観世音の名を称せば、大風たちまち、止みなん。」とする観世音菩薩様のお力を、心から願います。



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Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 05:40 │Comments(0)関連する事業

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