2016年09月25日
「古建築と基山」と題して講話いただく
本日、本会、基肄かたろう会そして基山町文化遺産活用推進実行委員会の共催で、鹿児島大学名誉教授で、現在NPO法人文化財保存工学研究室の理事長を務められている土田充義先生に、「古建築と基山」と題して講話をしていただきました。

きっかけは、去る5月5日に基山にある古い建屋を先生に視察いただいたことで、その時に気づかれた点や、これから基山の住民として古い建屋をどうすればいいのかについてご指導を受けたいという、基肄かたろう会からの要望にお応えくださったことです。
2時間の講話で、3つの項目に分けて講話いただきました。その一つに、「1.古建築を学ぶために最も大切なこと」として心構えを話していただき、①美しいものに憧れる。②じっとよく観る。③比較検討する。④評価する・価値を見つける。という心構えを説かれ、その中で大学の講義は、③がその役割であり、他の①②④は、私たち自らが地域の個性として認識し実践していくものだと話されました。
もっとも印象的だったことは、「基山の建物の特徴は、何ですか?」と外国や他の地域の方に問われた時に、「それは・・・・。」と答えることができるように、地に足のついた建物の観察が必要だということ。そして、守るのであれば、守るために集った人々が頑張らずに、知恵、技、力、など個々のできることを持ち寄って支えていくことが、「夢」実現への力になるというお言葉でした。

個人的には、3つ目として講話いただいた、町家の人びとが心がけている「両隣を気にして建てていく。」という心根について確認できたことです。この心根にある意識は、話題として挙げられた博多のみならず、全国の歴史的町並みをつくり上げている地域に共通のことなのですが、今、「隣を気にして建てる」という思いで支えられている「秩序」が、次第に関係性の低い人びとの入り込みによって失われつつある。また、沿道を歩く人びとのために、雨除け、日よけのために伸ばした軒先が、昭和25年の建築基準法施行によって、「道路内における建築制限」の名のもとに全国一律に切り落とされ、「お互い様」「おもてなし」「思いやり」の心が切り落とされているような気がしてなりません。
法律は法治国家としては必要なことですが、ローカルルールで守られている秩序は、地域のルールとしての町条例などを整備することで守られる仕組みが国・県・町で積極的につくられていくことが急務だと思います。地域の個性としての伝統的建築物がつくりだしている景観が、少しでも残されていくためには必要なことではないでしょうか。「個性豊かな美しい日本」のためにも。

きっかけは、去る5月5日に基山にある古い建屋を先生に視察いただいたことで、その時に気づかれた点や、これから基山の住民として古い建屋をどうすればいいのかについてご指導を受けたいという、基肄かたろう会からの要望にお応えくださったことです。
2時間の講話で、3つの項目に分けて講話いただきました。その一つに、「1.古建築を学ぶために最も大切なこと」として心構えを話していただき、①美しいものに憧れる。②じっとよく観る。③比較検討する。④評価する・価値を見つける。という心構えを説かれ、その中で大学の講義は、③がその役割であり、他の①②④は、私たち自らが地域の個性として認識し実践していくものだと話されました。
もっとも印象的だったことは、「基山の建物の特徴は、何ですか?」と外国や他の地域の方に問われた時に、「それは・・・・。」と答えることができるように、地に足のついた建物の観察が必要だということ。そして、守るのであれば、守るために集った人々が頑張らずに、知恵、技、力、など個々のできることを持ち寄って支えていくことが、「夢」実現への力になるというお言葉でした。

個人的には、3つ目として講話いただいた、町家の人びとが心がけている「両隣を気にして建てていく。」という心根について確認できたことです。この心根にある意識は、話題として挙げられた博多のみならず、全国の歴史的町並みをつくり上げている地域に共通のことなのですが、今、「隣を気にして建てる」という思いで支えられている「秩序」が、次第に関係性の低い人びとの入り込みによって失われつつある。また、沿道を歩く人びとのために、雨除け、日よけのために伸ばした軒先が、昭和25年の建築基準法施行によって、「道路内における建築制限」の名のもとに全国一律に切り落とされ、「お互い様」「おもてなし」「思いやり」の心が切り落とされているような気がしてなりません。
法律は法治国家としては必要なことですが、ローカルルールで守られている秩序は、地域のルールとしての町条例などを整備することで守られる仕組みが国・県・町で積極的につくられていくことが急務だと思います。地域の個性としての伝統的建築物がつくりだしている景観が、少しでも残されていくためには必要なことではないでしょうか。「個性豊かな美しい日本」のためにも。