2022年12月06日

■『枯松二国境物語』をふか〜く知る(その4)

●行政制度

 次に、行政制度です。
 この行政制度の「固定」と「安定」を物語る役どころが劇中に設定されています。

 争論を裁く「公儀」の存在で、劇中に公儀隠密としての「美鈴」や公儀の意志を伝える地域の調整役としての「御境目掛」を登場させているところは、この「公儀」の存在を明確に取り入れている点で、歴史性をよく表現できていると言えます。

■『枯松二国境物語』をふか〜く知る(その4)
【村の取りまとめ役である庄屋階層による争論】
(紙芝居『枯松二国境物語』より)

■『枯松二国境物語』をふか〜く知る(その4)
【地域の調整役であるとともに「公儀」の意志を伝える御境目掛】
(紙芝居『枯松二国境物語』より)

 また「公儀」と「村」の役割が劇中で表現されていますが、これも行政制度の各階層の分離による階層化、行政制度を当たり前のように認識していた結果であり、地域の調整役としての「御境目掛」と「美鈴」が持つ「公儀」の「絶対」的権力を認識させ得た点も、「固定」と「安定」の表現として捉えられます。

 そしてもう一つ、行政制度として国境争論で忘れてはならないのが、「訴訟制度」の完成度です。

 それは、次に語りましょう・・・(つづく)



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Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 20:22 │Comments(0)参画事業基山の文化遺産

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