2021年12月24日

第5回きやま創作劇「絹の糸」 総括編1

 12月12日の公演後、通常であれば「第5回きやま創作劇」を振り返り、創作劇で描かれた時代背景を知る講座や制作にあたっての振り返りのトークショーを開催しておりましたが、コロナ禍ということもあり、開催しておりません。

 そこで、今回は本ブログで時代背景について振り返りを行っておきましょう。

 きやま創作劇に描かれる様々な舞台の根底は、我が町基山を舞台とした歴史や文化に軸足を置き創られているということはご存知のとおりです。ただそれだけでなく、我が町基山の歴史は、「きやま」のこの地だけで成り立っているものではありません。人とひととがつながっているように地域の歴史-日本の歴史-世界の歴史と、人類の日々の営みの中の一つとして基山の歴史があるということも、つねに語り続けています。

 きやま創作劇の原点ともいえる「こころつないで※」は、氏族制社会(地縁・血縁で結ばれた「顔見知り」の社会)から古代国家形成(制度によって連帯させられる社会)へとつながっていく歴史の一幕として。第1回きやま創作劇「ホタル列車」は、世界恐慌にはじまり軍国主義へと突き進む日本の姿と帝国主義世界のうねりの中にのまれていく近代末期の社会の一幕として。第2回「八ツ並の姫」は、中央集権国家として生まれた古代国家体制が崩壊し、群雄割拠の武士の社会である中世的世界へ移行する過程で生じた、「家」と「家」との争いに巻き込まれていく一人の姫の物語です。
 そして、第3回「草莽の民」は、皆さまが日頃から目にするであろうヤカンの蓋が「湯気」に押し上げられる様子、これに端を発した蒸気機関の発明。ここから世界へと広がる欧米列強の世界進出の渦の中に巻き込まれた東アジアの中の日本の苦悩の一幕として描かれています。

第5回きやま創作劇「絹の糸」 総括編1 ●蒸気で持ち上がるヤカンの蓋

 では、第5回「絹の糸」は、どのような社会情勢の中の舞台として描かれているのでしょうか。

 キーワードは、女工たちの談笑の場面で交わされる正子のセリフにあった「工場法」です。

第5回きやま創作劇「絹の糸」 総括編1
●一日のお仕事を終え、ひと時の談笑場面

 ・・・・・・・・つづきは、次回へ

※基山町立小学校・中学校合同創作劇としての「こころつないで」と、大人を加えた第4回きやま創作劇「こころつないで」があります。



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Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 15:54 │Comments(0)参画事業

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