2020年04月05日

■鳥居に掛けられたしめ縄

 各地にある神社の結界を示す場にあるのが鳥居で、その時々で境内地と俗界との境界であったり、参詣道に入ったことを示す場であったりと様々です。この鳥居とともに結界に掲げられるものがしめ縄で、神域と人域の境を示す役割を担わされています。お正月に各家々の玄関に掲げられるしめ縄も、年神様を家の中にお迎えしたことで、神域を示すものとして掛けられています。神社に関係しておられる神職の方々のご自宅では、一年を通して玄関先にしめ縄が掲げられています。

 ところで、このしめ縄、時に、くぐるのを妨げるかのように、「ダラリ」と垂れ下がるように掛けられている神社を見かけます。

■鳥居に掛けられたしめ縄
●城戸の老松神社にあるしめ縄(基山町)
■鳥居に掛けられたしめ縄
■鳥居に掛けられたしめ縄
●淀姫神社の鳥居としめ縄(長崎県諫早市小長井町)

「何故?」

①氏子さんたちの活動が思わしくなく放置されている。
②鳥居をくぐって欲しくない。
など様々な想像が頭をよぎります。何か訳があるのでしょうか?

 この問いをある神社の氏子さんに問いかけたところ、「なるほど!」という応えが返ってきました。

 「神の領域である境内に入るのだから、低頭(頭を下げ、お辞儀をする)して境内へ入って欲しいから。」ということでした。

 想像するにもう一つの理由は、以前、御本殿前の中央線は「神様の道」であり神聖なラインとして人が通ってはいけないということを伝えました。「ダラリ」と垂れ下がったしめ縄の中央は、最も低くなっており、大人であれば必然的に鳥居の主柱脇を通らなければなりません。一方、まだ「人」としては扱われない子ども等(「7歳までは神のうち」という言い伝えが残る地方があります。)は、中央線上を歩くことに支障なしとして認識され、子どもたちは通れるようになっているのかもしれません。

■鳥居に掛けられたしめ縄
●尾崎大権現の鳥居としめ縄(長崎県諫早市小長井町)

 いずれにしろ、神の領域である神社境内に入る際は、「神様の道」を冒さないよう参詣道の端に寄り、一礼し入るように心がけたいものです。神様に「願い事」を聞いていただきたいならば・・・・・!



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Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 11:06 │Comments(0)基山の文化遺産関連する文化遺産

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