2018年11月14日

■歴史まちづくりの背後にあるもの(その1)

 昭和後期から平成初期にかけて、高度経済成長を旗頭に邁進してきた日本は、核家族化、利便性優先を推し進め、その結果、「何かを失った。」

 孤独死、一家団欒の喪失、お一人様、他立的社会。「一人が気楽でいい。」「地域の出事が煩わしい。」といった言葉がメディアを賑わせていた時代があります。
 「一人が気楽でいい」「地域の出事が煩わしい」を推し進め、地域活動が失われるとどうなるのか。地域活動(コミュニティ活動、祭礼など)の多くに根ざすことは、「目的」の喪失です。「活動すること」「年間行事を遂行すること」が目的となり、何のために、時間を費やし動いているのか「目的」が失われている。
 コミュニティ活動に関していえば、コミュニティで起きた問題を外部の組織と議論し解決するために組織化はあります。個人で解決できる、また問題が発生しない集団であれば、組織づくりを行う必要はありません。
 学校の問題は、学校だけで解決できるのであれば、PTA(Parent-Teacher Association親と教職員の社会的団体)は必要ないものです。しかし、昨今の生徒間のいじめ、教諭からの虐待、親から子への虐待など、学校や社会では、様々な問題が起きています。これらを個人で立ち向かっても解決しないのであれば、組織化して集団で考え立ち向かう。そのための組織がPTAや行政区や地域自治会です。住民の知らないところで行政組織や各種団体と議論し、より良い生活環境をつくっていただいているのもPTAや行政区、地域自治会の役員の皆さまの働きです。当たり前の生活は、どこかで誰かが活動をしてくださっているからこそ実現されていることを知る必要がある。

■歴史まちづくりの背後にあるもの(その1)
●基山町の花・木であるつつじ咲く道を地域で清掃
■歴史まちづくりの背後にあるもの(その1)
●地域公民館を使った「寄りあう場」の様子
■歴史まちづくりの背後にあるもの(その1)
●みんなで集い、しめ縄つくり

 “参加したくなければしないでいい、その代り個人的課題は個人で解決していただきたい。”というのが、組織で活動してくださっている皆さんの共通する意見でしょう。困った時だけ、団体や組織を頼るのはあまりにも身勝手です。応分の負担(義務)を果たしつつ、権利を主張する方々が少なくなった。権利だけを振りかざす方が、都市化とともに多くなっている。

 一方で地域活動に参画していくと、諸活動を通して顔見知りが多くなり、ネットワークが築かれていきます。ネットワークが築かれれば、思考も多様になり「ボケ」という言葉からは遠くなっていきます。対人関係を閉ざすことで多用な価値観を学ぶ姿勢から遠ざかり、思考を停止し「ボケ」につながっていくのだと思います。

 煩わしい、大変だと思った瞬間から、現実から逃避し、思考停止に陥っていっている自らを見つめ直した方がいいのかもしれません。      
                       ・・・・つづく。



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Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 05:22 │Comments(0)参画事業

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