2018年11月10日

■認定されると何が行われるのか?(その1)

 前回、「歴史的風致」とは何かで取り上げた「園部くんち」の歴史的風致の写真を用いて、認定後になにができるのかについて解説します。なお、ここで示したことが実際に園部宝満神社前で実施されるかどうか、町の財政力にも関わってきますので、あくまでも解説のための事例として捉えておいてください。

問:整備前と整備後(想像)の写真を下に掲載します。何が、どう変わっているでしょうか?

■認定されると何が行われるのか?(その1)
●整備前(現況)

■認定されると何が行われるのか?(その1)
●整備後(想像)


 腦内活性の「アハッ」体験のようですが、分かりましたか?
  ①電柱・電線が見当たりません(電線の地中化)。
  ②道路が茶色に舗装されています(道路の美装化)。
 あと、写真変化で表現できないこととして、③背後に写っている農家住宅の保存修理への補助、④田んぼの水路・畔の補修工事、⑤催行者育成への補助、さらに⑥これら整備・育成の状況をガイドするボランティアガイド養成や冊子作成、⑦事業効果を広報する諸活動にも補助金が投入できるなど、考えられることは多彩です。

 歴史的風致を維持及び向上するとは、催行者の方々が毎年祭礼を行うに当たり、「気持ちよく祭事ができる」環境整備を行うことで、その地域の歴史と文化に裏付けられた個性を整え高めていくことと理解していただくと分かりやすいかもしれません。

 一つここで想像してみてください。ビルに囲まれ、荒れ果て荒廃したかつての田んぼがあり、上空には電線が縦横に巡らされ、さらに空家のために崩れかけている廃屋の前を、ひび割れ凹凸のある黒アスファルト舗装の道を通って祭礼を行うのが「気持ちいい」と感じるでしょうか。園部くんちは、特に若手の挟み箱担ぎ手が沿道の田んぼの中を走り回る行為が行われますが、田んぼあればこそできる行為で、水路や田んぼ畔の補修ができず田んぼが失われ住宅街へと変化すると、田んぼを駆け巡る行為ができなくなってしまいます。田んぼの担い手不足から米つくりができなくなることもありますが、施設面(水路・田んぼ畔など)で作付けができなくなることを防ぐための支援ともお考えください。
 
※地域の個性を整え高めることが、すなわち世界に発信する日本の個性を高めていくことにつながるという施策で、「どこにでもあるまち(個性の無いまち)」から抜け出すまちづくりなのです。

                        ・・・・つづく。

■認定されると何が行われるのか?(その1)
●園部くんち催行を待つ朝の様子



同じカテゴリー(参画事業)の記事画像
■令和6年度基肄城関連事業終了
■『基肄城を未来へつなぐ』企画展 開催中
令和6年度きやま創作劇『永遠(トワ)に君思う』始まり!
■令和5年度歴史散歩開催
■第7回きやま創作劇「むすび」の会
■「第15回きやま展」展示替え
同じカテゴリー(参画事業)の記事
 ■令和6年度基肄城関連事業終了 (2025-03-25 23:27)
 ■『基肄城を未来へつなぐ』企画展 開催中 (2025-03-02 17:48)
 令和6年度きやま創作劇『永遠(トワ)に君思う』始まり! (2024-07-27 13:51)
 ■令和5年度歴史散歩開催 (2024-03-02 13:57)
 ■第7回きやま創作劇「むすび」の会 (2023-12-27 21:38)
 ■「第15回きやま展」展示替え (2023-12-19 19:00)

Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 16:38 │Comments(0)参画事業

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。