2016年05月28日

■熊本で見つけたモノ(その4)

 平成28年熊本地震、多くの人々に今なお精神的不安を心に刻み、今も余震が続いています。多くの文化遺産(文化財ではないが、地域の人々にとって未来へ継承していきたいモノ)が被災し、「保存に手立て苦慮」の新聞記事が出ていました。
 多くの文化遺産が、一気に失われるのも大きな災害の時です。何とか救うために九州国立博物館を中心に動き始めたとの記事も出ていましたので、東日本大震災の折、多賀城市へ文化財レスキューに出向いたように、できることを持ち寄って救援活動に関わっていきたいものです。
 ところで、これまで被災した家族を救援しに熊本への行脚の際、「見つけたモノ」として、感じたモノ、見たモノを紹介してきました。まだまだ、ゆっくり回りたいと思った場所はあれも、あそこにも沢山、たくさんあります。情報を仕入れたら、また紹介しましょう。

 最後に、基山でも見ることができる、あの守り神を熊本で見つけることができました。
 個人的にも、あの意匠が好きで、いつも気になっていただけに、熊本で見つけることができたのは、熊本のご先祖様たちが見せてくださったのかと感謝しています。
 そう、それは基山の村々の守り神、「疫神」です。

■基山の疫神
■熊本で見つけたモノ(その4)
■熊本で見つけたモノ(その4)
 基山の村々の入り口、境界に必ず立っている(立っていた)、外界からの災いを遮断し掃き出す「タワシ」をイメージしてつくられていると伝えられるものです。これが立てられているところは、旧街道筋や旧道にあって集落への入り口と考えても大過ない場所です。基山周辺では、鳥栖や小郡で見ることができます。
■小郡の疫神
■熊本で見つけたモノ(その4)

 さらに、視野を広げてみても、なかなか見ることができなかったので、基山・鳥栖・小郡の特色かと考えていましたが、熊本市北区(旧植木町)で見ることができました。
■熊本で見つけたモノ(その4)
■熊本で見つけたモノ(その4)
■旧植木町(櫻井集落)の「お札」
 JR植木駅の南側、旧櫻井村のお宮「杵築神社(きつきじんじゃ)」の鳥居に接して立てられていました。お札の名残らしきものは観察できませんでしたが、代わりに川まつり(ダブリュー)の際建てられる、櫓にお供えとして括り付けられるお酒を入れる竹製の器がくくりつけられていました(ちなみに、北部九州では日本酒が、南九州では焼酎が入れられます)。
 熊本市教育委員会発刊の『熊本市民俗調査報告書第2集』によると、熊本市内の川まつりなど地域のお祭りではお札とセットとして立てられているようです。植木町史では、集落の入り口、「道切り」のしめ縄とともに「お札」として記述されており、ここ基山で見られる災いを遮断する役割からは、やや意味が拡大し、お札とともに場所を問わず「災い」を払うものとして使われています。
 ちなみに、「杵築神社」は旧櫻井村大字鐙田にあり、創建は推古天皇の御世と伝えられ、大国主命外六神を合祀すると記録に見えます。



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Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 16:50 │Comments(0)関連する文化遺産

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