2014年05月06日

「契山(ちぎりやま)」の物語

 基山(きざん)の西に、標高408mの「契山」という山があります。この契山には、実は基山(きやま)に住む人びとと神さまとの絆の物語が残されているのです。
 「天孫ニニギの降臨」として知られる邇邇芸命(ににぎのみこと)様と妻として迎えられる木花之佐久夜毘売(このはなさくやひめ)様との結婚にまつわる物語です。
 邇邇芸命様は、そう御幸祭りで知られ式内社である荒穂神社の御祭神で、基山の人びとを愛し、基山の人びとに農耕の手ほどきをされたという言い伝えが残されている神様です。このご恩に感謝すべく、あるとき基山の人びとは邇邇芸命様にお嫁さんを探すことにしたのです。
 基山(きざん)の西の山々の最初の谷に、山の神である大山祗(大山津見 おおやまづみ)の神様がおられ、その神様のお嬢様に梅や桜の花よりも美しい木花之佐久夜毘売(木花咲耶姫)様がおられました。そこで基山の人びとは、この木花咲耶姫様をお嫁さんにお迎えしては如何ですかという願いを、邇邇芸命様に対し、毎日毎日、多くの人びとがしました。その願いを邇邇芸命様は聞き入れます。それを聞いた基山の人びとは大喜びで、木花咲耶姫様の父である大山祗様にお願いに行き、ついに聞き届けていただいたのです。
 お二人の契りの儀式(結婚式)が行われ、基山の人びとが幾日もお祝いをしたと伝えられる山が、この「契山」なのです。

 この契山を挟んで、東には邇邇芸命様をお祀りする荒穂神社が、西の谷、古屋敷には木花咲耶姫様をお祀りする古屋敷の山神社が、さらに西側の柿原には木花咲耶姫様の父であり山の神様である大山祗様をお祀りする柿原の山神社があります。

「契山(ちぎりやま)」の物語
■「邇邇芸命様」を祀る荒穂神社

「契山(ちぎりやま)」の物語
■「木花之佐久夜毘売(木花咲耶姫)様」を祀る古屋敷の山神社

「契山(ちぎりやま)」の物語
■「大山祗(大山津見 おおやまづみ)の神様」を祀る柿原の山神社

 日本最古の歴史書である『古事記』に記される天孫降臨神話の世界と、基山の人びとが結びついた昔話です。その神々が今も基山の地域で祀られていることに、基山の歴史の深さをあらためて知ることができますね。

「契山(ちぎりやま)」の物語



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Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 13:41 │Comments(0)基山の文化遺産

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