2023年06月18日

■特別史跡指定70周年(その3)

 日本の歴史上、古い順に記述します。
 まずは、今話題の弥生時代の大集落遺跡である吉野ヶ里遺跡です。
 少し小難しくなりますが、お付き合いください。

●吉野ケ里遺跡
【日本の歴史上の位置】
 弥生時代という未だ国家機構が整っていない時代に、地域利害を取りまとめ、環濠を持つ大集落を形成したということ。また、発見された墓(墳丘墓や二列埋葬甕棺墓)に遺る人骨の分析から、世襲制ではない社会であったことが分かる遺跡として日本の歴史に位置づけられています。

■特別史跡指定70周年(その3)
■特別史跡指定70周年(その3)
【佐賀県教育委員会(1990)『環濠集落 吉野ヶ里遺跡 概報』より抽出】

【証拠としての遺構】
 現在、国営吉野ケ里歴史公園として整備されているとおり、環濠に囲まれ、物見やぐら、掘立柱建物群、墳丘墓、二列埋葬甕棺墓などが、全貌を確認できる面積で見つかっています。


【余談】
 おまけですが、今回、話題にのぼった吉野ヶ里遺跡の石棺の調査。賛否ありますが、これからは多くの人々に「見せる発掘調査」が求められ、佐賀県の山口知事もある意味「覚悟」を決め、佐賀県が取組んだ今回の調査は、先駆的な取組として高く評価されます。一部「業界」の特権のように秘匿され調査される時代は終わり、多くの衆目の注目を集めながらの調査が、国民の理解を促すきっかけになると思うと同時に、「何も出」なかったことの「落胆」ではなく、このような現実も受け止めつつ地道な発掘調査は日々行われていることの現実も多くの国民に知っていただきたいと思います。



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Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 20:48 │Comments(0)関連する文化遺産

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