2019年06月11日

■6月10日(その1)

 昨日、6月10日は「時の記念日」です。
 令和ゆかりの地「太宰府」で、大宰府政庁跡を舞台に「時の記念日」の行事が行われました。
■6月10日(その1)
●大宰府政庁跡(正殿)で行われた「時の記念日」の行事の様子
■6月10日(その1)
●正殿三石碑に掲げられた「時の記念日」掛け軸

 早朝午前6時に政庁跡正殿前に参集し、時の大切さと時の記念日の由来について講話が行われ、参集された方々で、「時の記念日」の歌を歌うという素朴な集まりです。太宰府市民遺産第6号にも認定され、200名を超える方々に参加いただくまでになっています。
 このように記すと、「今」始まったかのように思われますが、遡ること98年前、時は大正10年(1921)6月10日に全国で取り組まれた「時の記念日」の行事に始まります。
 当時発行された「福岡日日新聞(大正10年6月11)朝刊」に、福岡県筑紫郡の「時の宣伝式」の様子が記されています。そこには、飛鳥時代に国家制度の樹立を模索していた時の天皇である天智天皇が、時間観念の制度化を目的として漏刻を始めたことを説き、その時の施設が大宰府では現在の政庁跡東側にある「ときやま(辰山、築山、月山)」にあったという説明が、郷土史家であった武谷水城氏によって正殿跡で行われたと書かれています。その後、水城尋常小学校で祝賀会が執り行われたとも書かれていました。「時の宣伝式」、今で言う「時の記念日」の始まりの姿を伺い知ることができます。
■6月10日(その1)
●正殿と「ときやま」

 実は、この「時の宣伝式」は、何も太宰府でだけ行われたのではなく、全国各地を舞台に開催されています。
 佐賀県内でも各地で行われ、佐賀市役所では正午の午砲とともに「鶏飯」を食べたと記されています。
■6月10日(その1)
●福岡日日新聞 大正10年6月11日朝刊記事を抽出改変

「時」の観念は、地域によって様々でした。それを統一し国家機構の仕組みとして立ち上げたのが、創作劇「こころつないで」のキーパーソンの一人である中大兄皇子、後の天智天皇であったことは知っておいてください。



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Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 20:41 │Comments(0)関連する文化遺産

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