2015年07月31日

素晴らしい基山の文化遺産

 「興味のむくまま、気のむくまま」を根底に、今の価値観で評価をしない取組みで今を記録する。

 今、基山町では、基山の「今」を記録し、未来の町民に遺す取組みが動いています。
 文化遺産ガイド講座に集った方々が、基山の「今」を記録し遺していっていただいています。評価は、未来の町民が行うことです。「今の僅かの知識で評価することではない。」ということを根底に据え、「今」を記録し、調べ、そして伝えていく。

 今日は、二つの班に分かれて行っている基山(きざん)の文化遺産調査成果の情報共有を行いました。

■気になったモノ、気に入ったモノを皆で共有する。

 互いに刺激し合い、感性を広げるきっかけを目的として、月一回開催する予定です。
 今日だけで、様々な情報が出され、それぞれに「刺激」を持ち帰って、明日の活かしていただけると思える確信を得ました。
 さすが、第1回に集っていただいた皆さんです。

■土塁の角度が気になった方の測量データ(素晴らしい!)

 集い、活動を実践されている皆さんは気づいておられないでしょうが、この取組みは日本の中で最先端の取組みです。うつろい彷徨う「その時々の行政組織」に頼ることなく今まで継承されていた文化遺産(文化財)を、皆さんの価値観で記録し伝えていくこと。これが「共感」に根底を置く物事の営みです。高圧的、上から目線、行政依存などに基礎を置く保護から、皆が共有し、「そうだ守っていくことが大切なんだ。」という気持ちの共有に覚醒する、どこも取り組んでいない取組みです。

 そうでしょう?誰かに言われて大切だと思うより、自ら大切だと思うことが、真の大切さを感じるはずです。

 文化財以前に、国民皆が共感できる素材であることに目覚めることが大切なのではないでしょうか。学術的に大切でも、一部の人々に占有されていては価値の共有がなされず捨て去られる(社会淘汰)モノです。でも時代を問わず大切なものはあります。原点に立ち返って、国民皆が共感できることは何かを、見つめ直す時期にきているのかもしれません。

 基山町の文化遺産ガイド講座に集った方々は、日本の明日を創り上げています。共に、出来る範囲で、出来る事を持ち寄って個性を磨き上げていきましょう。
  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 22:32Comments(0)主催・共催事業参画事業

2015年07月30日

『発見きやまの歴史2』制作!

 『発見きやまの歴史1 基肄城のヒミツ』発刊から、早1年。
 町内外を問わず、多くの方々から良い評価をいただき、「次はないのですか?」という励ましのお言葉をいただいていました。

 今年度、文化庁が進める「文化遺産を活かした地域活性化事業」に基山町文化遺産活用推進実行委員会として当会も参画し、漫画で伝える基山の歴史を申請したところ、無事採択され2号制作となりました。

 昨夜、漫画原案が出来上がり、描画、ルビ、コラム内容の確認を行っています。


 今年のテーマは、荒穂神社の「御神幸(みゆき)祭り」。荒穂の神さまや御神幸祭での所作を、漫画構成で伝える試みで、原案といえど完成度の高い作品に、検討のため集まった皆が、完成作品に「夢」を馳せたところでした。

 これから、多くの方々に監修していただき、来年2月の完成を目指します。そして、1号同様に朗読会を開催する予定です。

 お楽しみに!  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 07:00Comments(0)参画事業

2015年07月26日

集落の境界に建つお地蔵さま

 様々な場所に建っておられるお地蔵さま、正式には「地蔵菩薩」ですね。
 地蔵菩薩さまは、どのような菩薩さまなのでしょう。これを紐解くことで、様々な場所に建っておられる意味を読み解くことができます。

 地蔵菩薩さまは、自ら地獄、賽の河原に出向き、苦しんでいる衆生の罪を滅し成仏させる菩薩さまと伝えられています。最も弱い立場の人びとを救済する菩薩さまなのです。

 このことから、三途の川を渡れずにいる人びとや子ども達を救うという言い伝えから、現世に命短く他界した子ども達を救う地蔵さまとして多くの信仰を集めたり、墓地の入口に地蔵さまが建てられています。特に墓地の入口には、全ての生命は6つの世界(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道)に転生するという仏教の六道輪廻に由来し、それぞれの道で地蔵菩薩さまが救済するという思想に基づき六体のお地蔵さまをお見かけします。
■うきはの墓地にある六地蔵さま


■奈良の墓地にある六地蔵さま


 意味は転じていくもので、猿田彦大神さまと庚申尊天さんの混同について記したように、お地蔵さまも次第に意味が転じていきます。

 お地蔵さまが持つ救済の力から、墓地の入口に建ち、あの世に旅立つ衆生を救済する、三途の川、いわばあの世とこの世の境界に建つという意味から、境界に建ち衆生を救済する意味へと転じていきます。
 かつて人びとが暮らす集落を出ること、それはどのような危険が待ち受ける場であったか、多くの古文書が伝えています。私たちが暮らす基山も、かつて長崎街道の往来が盛んであった頃、三国境付近では山賊が出ていたと言い伝えられています。集落の外には、死が待ち受けている場であったのです。

 この現世(集落)、あの世(集落の外)との境界に建つお地蔵さまとして、六地蔵さまが建てられるようになります。基山でも2区に六地蔵さまが祀られています。この六地蔵塔が建つ場は、集落の境界ともいえます。そのような視点で、お地蔵さまを見てみると、集落の本来の形がみえてくるかもしれません。


■2区にある六地蔵さま


 この集落(現世)、集落の外(あの世)との境界には、墓碑である卒塔婆も建てられていました。これは、また別の機会に記しましょう。
  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 08:08Comments(0)基山の文化遺産

2015年07月25日

基山(きざん)の違った利用のされ方

 特別史跡基肄城後がある山、基山。
 この場合は、「きざん」ですよ。

 この基山(きざん)は、山歩きをすると、その起伏の適度さから、様々な活用の姿が見えてきます。
 過日も、文化遺産ガイド講座の現地調査の折、ガイド講座メンバーと語り合っている後を、さっそうと走り抜ける人を御見かけしました。一瞬の出来事でしたので、平地感覚で見過ごしてしまったのですが、よくよく考えると、「え~~っ(この起伏を走るの・・・・?)。」という驚きを覚えてしまいました。


 またメンバーのお一人のお話では、南水門跡から山中に入る管理用道路は、サイクルトレイルの隠れた練習場としても活用されているということです。


 特別史跡基肄城跡も様々な方々が、様々な理由で活用されていることが分かってきます。このような知識も平成27年の記録として、記していただくことにしています。

 文化財を見るためにこの山(基山)に入る方、自らの鍛錬のために入る方、自然を満喫するために入る方、目的はそれぞれ。

 ちょっと休んだ時に、この山に刻まれた多くの人々の記憶を、少し心の中に持って帰っていただければ幸いです。これが、これからの史跡活用の姿の一つではないかと思います。あと、ここは国民の宝(特別史跡)です。大切に思う気持ちも持っていただけると幸いです。  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 16:55Comments(0)基山の文化遺産

2015年07月01日

調査した文化遺産情報を整理

 本日、文化遺産調査2班の皆さんが、過日(28日)に行った基山(きざん)調査成果の整理を行っておられます。
 単に「気になったもの」の記録として文化遺産カードを記録するだけでなく、「気になったもの」の関係情報の収集も行われています。

                       ■整理作業

 ●一等三角点
 ●オキナグサ
 ●土塁の角度
 ●51回佐賀県植樹祭記念に植えられたタブの木 などなど

 「気になったもの」が、誰よりも知ってるモノに変わっていきます。基山(きざん)にあるものを知り尽くす勢いが加速していく、今日共有された情報を糧に、次に進んでください。

 一人の力は小さくても、みんなの力が合わされば大きな流れ(知識)となります。
 出来る範囲で無理なく進んでください。
  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 22:35Comments(0)主催・共催事業