2022年02月26日

■住吉神社再建

  去る、令和4年2月23日 今上天皇のお誕生日のこの日に、特別史跡基肄城跡南水門に鎮座されている住吉の神さまの御社が歴史的風致形成建造物として再建され、住吉の神さまを再びお迎えする遷座祭と、竣工をお祝いする神事が䅏田宮司の執り仕切りの中、行われました。


●遷座祭の様子

 思い起こせば、平成30年7月の豪雨によって引き起こされた土砂崩壊が、下流にある丸林集落へ行くのを防ぐかのように、住吉の神さま達(住吉三神)が身を呈して守られたような状況でした。「くい止められた」流木と土砂によって御社は無残にも壊れ、鳥居、狛犬は下流まで押し流されてしまい、「再建」という言葉を想起させるには、ほど遠い有り様であったことを記憶しています。


●住吉神社の被災状況報告から

 あれから4年、長い道のりを氏子会の皆さまの思い、それに呼応する町行政の取り組み、そして住吉神社再建委員会の皆さまの熱心な取り組みに賛同された町内外の皆さまからの御浄財によって再建を成し遂げられたのです。

 ここまで御尽力された再建委員会の皆さま、お疲れ様でした。
  また、再建委員会の皆さまの取り組みに賛同いただきました町役場、町内外の皆さま、ありがとうございました。皆さま、お一人おひとりの力を持ち寄り、成し遂げられた素晴らしい成果だと思います。

 一連の神事の後、再建委員会の会長さまが、しみじみと、「これで安心です。」と言われた御一言の言葉に含意される「思い」の重さに、計り知れないものが感じられ、再建委員会の皆さまに対し改めて敬意を表する次第です。


●被災前の住吉神社【平成21年(2009)】


●修理され再建された住吉神社

 関係された多くの皆さまに、改めて心から深く感謝申し上げます。
 お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

※歴史的風致形成建造物:国土交通省・文部科学省・農林水産省の三省共管事業として取り組まれ、地域固有の伝統的行事と歴史ある建造物、さらにはそれを取り巻く環境を合わせて「歴史的風致」と位置づけられています。
 今回の住吉神社は、特別史跡基肄城跡南水門と合わせて基山町内の様々な伝統行事(お潮井採りの場など)に係る神社建物であり、基山町歴史的風致形成建造物第1号として指定され修理されました。災害によって倒壊し壊れた部材を丹念に計測を行い、石製建造物の一つひとつを材質から形状に至るまで確認し、歴史的風致形成建造物として修理した事例は極めて稀で、今後の修理修復事業の良い事例として参考になります。
 また、今回の修理で住吉神社にかけた先人たちの思いを知る新たな発見もありました・・、それは機会があればお伝えしましょう。


●歴史的風致形成建造物指定プレート

  


Posted by 基山の歴史と文化を語り継ぐ会  at 11:58Comments(0)基山の文化遺産